
遠浅サーフは、単純に言えばヒラメが定着して生息するには少し水深が足りない
ある程度水深があれば、安定してヒラメが定着するかもしれないが、遠浅サーフだと、ある程度の接岸がないと、ヒラメがルアーの届く距離に安定して定着しないと考えている
遠浅サーフに接岸するヒラメは、季節のタイミングと潮回りのタイミングで入ってきて、しばらく釣れ盛り、またしばらく離れる、という周期を繰り返している
ヒラメを3桁釣ってきて、ある程度見えてきたその周期が3つある
季節と潮回りなど、タイミングが重なればヒラメのシーズンインが分かる
確実とは言えないが、一応の目安にはなるとは思うので、少しだけ参考にしていただければと思う
高知のヒラメシーズンは11月から始まる
早い年だと、11月中旬頃からヒラメが釣れ始める
遅い年だと、1ヶ月近くずれ込む事もある
高知西部の遠浅サーフだけのデータではあるため、他県で通用するかどうかは不明ではあるが、冬がシーズンと言われている関東以南では多少あてはまる部分はあると思う
1 寒波によるタイミング 最低気温が10度、最高気温が15度を下回った時
9月終わりからサーフに通ってみて、それから釣れ始める時期までにある、大きな一つの出来事があり、それが寒波
毎年、早い時で11月に一度気温が下がる時がある
寒波が入り、残暑が終わり、一気に秋めく時が、最初の寒波が入った時
気温自体は、太陽が南回帰線に下がるにつれて徐々に下がっていくが、寒波が入ると一気に気温が下がる
これも定かではないが、個人的には、最低気温が10度を切る日が増え、そして最高気温が15度を下回った時、としている

夏場に切っていた便座のヒーターのスイッチ。気温が下がりはじめたら便座を冷たく感じる、正にその時期からがヒラメの釣れる時期。私は本当に便座が冷たくなってからサーフヒラメに通い始める(笑)
2 潮回りによるタイミング 大潮から中潮の潮回り
1のように、最初の寒波が入り、中潮から大潮になる潮回りのタイミングで、最初のヒラメの一団が入ってくる、と考えている
そして、中潮になると、潮位が安定し、遠浅サーフの高知西部でも安定して釣れ盛り始める
大潮満潮が釣れる、という定説は今でも流布されているので、確かに釣果が集中しているが、定説化されているため、人間もそのタイミングに集中する事が大きな要因だと思う
特に、高知西部の冬は、大潮満潮が朝マズメにピタリと重なる
大潮満潮がヒラメの良いタイミング、というよりは、単に朝マズメだから、という方が私にとってはしっくりいく
確かに大潮だと、岸近くまで水位が上がり、ヒラメが入りやすい条件ではあるが、逆に干潮時には、一気に沖まで海水が引いてしまう
水深1mの遠浅サーフでは、あっという間に数百m沖まで干上がる事もあるくらいだ
大潮では、この潮が引く(満ちる)時間帯は、ヒラメ自体も安定しないようで、大潮=潮変わりにアタリが集中する
沖から入ってくるヒラメは、干潮の潮が引き切り、満潮にかけて一気に潮が入る、このタイミングで一気に岸近くまで入ってくる感じがする
中潮~大潮~中潮にヒラメが入り、中潮から小潮、長潮の潮位が安定した時に、遠浅サーフでも日中でも安定して釣れるようだ
このタイミングが見えてから、マズメ、満潮集中型の釣行から、完全に脱却して、逆に釣果を伸ばせた
3 しらす(ちりめんじゃこ)漁の始まり
高知西部では、上記の時期と重なって、しらす漁が始まる
恐らく、ヒラメはこの「しらす」との関係性が強いと考えている
しらす漁が遅れると、ヒラメの釣れる時期も遅れる
*しらす=イワシ類の幼魚、じゃこやちりめんと呼ばれる2~3cmの幼魚
しらすに着いた、更に大きい小魚を追うとも言われるが、しらすが大量に入っている時は、波打ち際までヒラメが入り、そのヒラメの胃袋には、たくさんのしらすが入っている事もあるため、しらすを直接追う、と考える
しらすを直接捕食する、しない、という議論はあるかと思うが、しらすが岸近くに寄ってくる、というタイミングは、サーフの活性化に良い影響を与えるので、しらす漁が豊漁、というニュースはヒラメにもいい結果をもたらせてくれる

高知西部のサーフでヒラメが良く釣れる時は、シラス船も近くを通っている事が多い。平日に海岸線をドライブしてシラス船が沖合に見えていればヒラメが釣れる確率もかなり上がる
基本的には
1 寒波の第一波
2 中潮~大潮にかけての潮回り
3 しらす漁の始まり
この3つの条件が重なる時からヒラメシーズンが始まる、と考えている
例年よりヒラメシーズンが遅れる2つの原因
1 台風の襲来
高知西部は、年々台風が襲来する時期が遅くなっている
10月からヒラメが釣れていた年は、台風の発生件数が少ない年が多かった
最近は、11月まで台風が発生するようになり、ヒラメシーズンも遅れる年が多くなった
理由は単純なもので、遠浅サーフが荒れると、釣り人はもちろん、魚も近寄れるような状況ではないからだ
釣り、どころの話ではない、という事
この台風の大荒れは非常に厄介で、ゴミが堆積して釣りにならなくなったり、砂が堆積してしまい、のっぺりした地形になり、狙いを絞りづらくなったりと、あまり良いことはない
特に晩秋になると、海上を進んでくるだけの台風も多く、波の影響で川の流れ込みが塞がると、また1つポイントが減る事になる

一度台風でサーフがリセットされると、潮回りが一周(大潮から次の大潮まで)しないと地形が安定しない。砂がフワフワした感じになり、歩きづらくなっている時はリセット中だ
2 黒潮の大蛇行
これも数年に1回周期で、黒潮が岸から大きく離れる時がある
これは、漁業にも大きな影響があり、ほぼ悪い影響を受ける
前述した、しらす漁に大きく影響し、黒潮大蛇行の年は、しらす漁も遅れたり、漁獲量が減ると、ヒラメの接岸も乏しくなる傾向がある
寒冷渦が大蛇行の原因とも言われているが、寒冷渦は高知に影響しているか・・・というのは定かではない(と思う)
一つ言えるのは、ヒラメのエサとなる魚への影響も大きいため、黒潮大蛇行が発生している、という年はヒラメ接岸も遅くなる傾向がある
まとめ
10年以上サーフに通い、3桁実釣でのデータではあるが、上記の3つの目安でヒラメが釣れ始め、2つの遅れる原因が発生してる時は、ヒラメが釣れるのも遅い
これは、あくまでも、週1釣行のサンデーアングラーの私個人的な意見であり、毎日朝マズメだけ通える方なら、全く違った意見があるかもしれない
高知西部限定的かもしれないが、同じくサンデーアングラーで高知西部に近い環境であれば、ある程度参考になるかと思う